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一般的にFF(フライフィッシング)をする人の多くは、 C&R(キャッチ&リリース:釣れた魚を再び放流すること)の推進派と言われています。 というより、FFという釣り方そのものがC&Rを基本としているのです。 それはFFの楽しみが釣果ではなく、釣り上げるまでのプロセスにあるからです。 フライの選択、ポイントの読み、キャスティング、ドリフト、全てがうまくいき、 さらに運も味方にしてやっと魚が出てくれます。何とか魚を誘い出してフッキングし、 バラさずに魚を手元まで寄せる事ができたら、そこでゲームセット。 釣り人の勝ちです。それで十分過ぎるほど満足できるのです。 その逆にFFでは、「ごっつぁん釣り」または「あっ!釣れちゃった」ではNGです。 いくら魚を手にしたとしても、偶然に釣れたり、スレ(口以外の場所に鉤が掛かること)では 釣った気にはなりません。完璧な形で釣れなければ「釣った=勝った」と思えないのです。 ですからほとんどのフライフィッシャーはキープ(魚を持ち帰ること)することへの執着は薄く、 自然な行動としてC&Rを行っているのではないでしょうか。 釣果を自慢したり記録に残したければ、魚拓ではなく記念写真をパチリとやればOKですし、 魚を持ち帰る必要も全くないのです。どうしてもその魚を食べたい時を除いては。 当然私も今はC&Rを励行しています。「今は」とあえて付け加えたのは、 FFを始める前の餌釣り時代は、立派なキャッチ&キープ&イート派人間だったからです。 その頃は、C&Rをしている友人に向かって、「せっかく釣り上げた魚を食べないなんて、 お魚さまに対する冒涜だ。ちゃんと食べてあげる事が魚の供養になんだ。」 などと非難しておりました。 ![]() またTVの釣り番組やビデオなどで、釣り人が魚に向かって 「ナイスファイト!ありがとう。また会おうね」 などと言いながらリリースしているの姿を見ると、 「FFをやっている奴は頭おかしいんじゃないか。 遊びのために魚を苦しめておいて、何がまた会おうだ。 絶対にキープして食べるべきだ。」などと本気で思っていたのです。 しかも、渓流釣りの目的はもちろん魚を持ち帰ることでした。 だってヤマメの塩焼きやイワナの骨酒なんて考えただけでも、ヨダレが…!。 しかし私がFFにのめり込むようになり始めて分かった事があります。 それは川や湖のおかれている環境が、今悲惨な状況にあるということです。 日本の河川や湖沼における在来魚種の保護という点においては、 無用なダムや堰堤の建設問題、ブラックバスやブルーギルなどの外来魚種や 川鵜による影響などが挙げられ、様々な議論がなされています。 でも我々釣り人にとって何より深刻な問題は、とにかく川に魚がいない! (少ない)ということです。 毎年、全国の河川では解禁に向けて何万尾、何十万尾という魚が 漁協により放流されていますが、解禁後1〜2週間するとほとんどの魚が 釣りきられてしまうのが現状です。 その後追加放流をしてもやはり時間の問題で魚はすぐにいなくなってしまいます。 まるで期間限定(1〜2週間)の管理釣り場のようです。 もちろん釣りを趣味にする人が増えることは喜ばしいことですが、 限られた資源を競い合って根こそぎ持ち帰れば、魚がいなくなるのは当然の結果です。 1人10尾持ち帰れば、1000人で1万尾です。いくら何万尾放流しようと、 皆がキープすれば1週間程度で魚がいなくなるのは小学生でも分かる計算です。 しかも解禁が夜明けからと決まっているにも関わらず、 夜中からケミホタルを使って何十尾と抜いていく輩もいます。 (こういう人間に限って入漁券も買わない。だって夜中に販売店は開いていないし、 ルールを守らない奴が帰りに入漁券を買う訳ないじゃん!) 実際に私の知り合いが「入漁券なんて一度も買ったことは無い」などと 自慢げに話しているのを聞いたことがあります。それは密漁だよ、密漁っ!。 また、ある漁協関係者からこんな話も聞きました。解禁時に何十尾ものヤマメを釣った人が、 10cmにも満たない稚魚までキープしていたので、どうするのか聞いたところ、 「居酒屋に持っていくと、御礼にタダで呑ませてくれるんだ。 稚魚も唐揚げにするとうまいよ。」と悪びれる様子なく言ったそうです。 話をしてくれたその方も、とても寂しくなったとの事でした。 ![]() では漁協がもっと放流を増やせば良いじゃないかという意見もあります。 それには管理釣り場のように入漁料を1日4〜5千円にして、 河川全域を管理することが必要になるでしょう。 全く不可能な事とは言えませんが、あまり現実的な話しでもありませんよね。 誰でも、シーズンを通してもっと魚のいる川で釣りを楽しみたいのです。しかも安い料金で…。 現状において魚を減らさない方法はやはりひとつしかありません。 釣り人がなるべく魚を持ち帰らないようにすれば良いのです。 これはいくつかの河川で導入されているC&R区間の状況を見れば明らかです。 魚は確実に残ります。 昨年からスタートした道志川C&R区間でも 解禁後2〜3ヶ月たっても魚はたくさん残っていました。 しかし、かつて私がそうだったように、 どうしても釣れた魚を持ち帰って食べたいという人もいます。 これも釣り人の正当な意見ですし、釣りの楽しみのひとつだと思います。 どちらが正しくでどちらが間違いという問題ではありません。 根本的に釣りを楽しむ目的が違うのですから。 キープしたいのであれば、釣り人が魚は自分だけの資源ではなく皆の資源なんだという 分かち合いの気持ちで、持ち帰る数のを最小限に留めるべきだと思います。 少なくとも家族の人数分あれば十分ではないでしょうか。 15cm以下の稚魚や10尾以上のキープなんて全く論外な話です。 C&Rはあくまで魚を減らさないための手段ですが、 ただ釣った魚を逃がせば良いというものでもありません。 実行するには、魚にダメージを与えないようなリリースの仕方を知る必要があります。 ランディングに時間をかけたり、むやみに直接魚体に触れることは単に魚を弱らせるだけです。 できるだけ魚体にやさしいリリースをすれば魚は決して死にません。 そして再び私達を楽しませてくれるのです。 最近、多くの川でC&R区間を設定する動きがありますが、 リリース派とキープ派との共存という意味では大歓迎です。 しかし本当はC&R区間が無くても、 いつでも川にたくさんの魚が泳いでいる状態が理想です。 それには一人でも多くの釣り人に、 資源をみんなのものという意識をもって行動してもらうしか手はありません。 強制はできませんが、是非C&Rの理解者が増えていくことを切に願っています。 長々と稚拙なことを書きましたが、C&Rについては 人それぞれいろいろな意見や考え方があると思います。 今後も多くの方の意見に耳を傾けながら、C&Rについて考えていきたいと思います。 |
2003.1.24