イーフロンティアから発売されている3DCGソフト「Shade(シェード)」シリーズ。
自由曲面というモデリング手法,CG初心者でも扱いやすいインターフェイスが最大の特徴であり,
国産ソフトとしての柔軟性が,ユーザーに支持を得ている。
レンダリングの良さから「静止画が美しい」と言われている,
反面,動画が作りにくかったが,最近は飛躍的に機能が向上している。
その昔は100万円もする極めて高価なソフトウェアであったが,
今では1万円台からと,個人でも手にしやすい値段となっている。
Windows版とMac版があり,搭載している機能によって,3種類のShadeがある。(2007年4月現在)
| グレード | 標準価格 | バージョンアップ版 |
| Shade 9 basic | 16,800円 | 5,250円 |
| 基本機能を全て備えた基本グレードモデル。 | ||
| Shade 9 standard | 45,000円 | 15,000円 |
| 機能追加ができるプラグイン機能等を備えたミドルレンジモデル。 | ||
| Shade 9 professional | 105,000円 | 25,000円 |
| その名の通り,プロ向けの機能が搭載されるハイエンドモデル。 | ||
そのほか,アカデミック版や64bit版などかなりの種類がある。
はじめて3DCGをはじめるのであれば,Basicで十分であろう。
機能の不足を感じるようになったら,今後,新しいShadeへバージョンアップする際にグレードを上げればよい。
グレードアップの価格についてはこちら。
ある程度CGに腕の覚えがある人は,
比較表を参照しながらグレードを選択すると良いだろう。
Shadeの動作環境を見ると,「自分のパソコンで大丈夫」と思われるだろうが,
これはあくまで最低限必要な性能であって,
ある程度の複雑なCGを製作するには,これ以上の動作環境が必要となる。
CGをやる上で,最も重要なのはメモリ容量とCPUの速度。
パッケージには「512MB」と書いてあるが,Windows2000以降のOSなら,
パソコンが起動した時点でメモリは100MB以上使われてしまう。
CGの製作中にメモリが足りなくなると,
レンダリングの際に仮想メモリを使って行なうことになる。
これは,ハードディスクの空き領域をメモリに見立て,メモリ不足分を補う処理であるが,
そうなるとレンダリング時間が極端に落ちることになってしまう。
(10分で終わるレンダリングも2時間かかることに‥)

WindowsXPの「タスクマネージャー」
CGのレンダリング中,物理メモリの「利用可能」が少ない場合(10000以下)は,メモリ増設をした方が良いだろう。
CPUは,単純に「速いに越したことはない」というのが結論だろう。
Shadeに合わせたのパソコンを購入する際の,自分なりの検討をまとめてみた。
| パソコンパーツ | 解説 |
CPU ![]() |
IntelならCore2Duo,AMDならAthron64X2が良いだろう。 双方ともにデュアルコア,つまりCPUが2つ搭載されている。 マルチスレッドに対応したShadeのようなソフトであれば2つのCPUを同時に使えるのである。 単純に考えればレンダリングが2倍近く速くなると考えていいだろう。(実際は1.8倍程度) また,Core2Duoの上にはCore2Quadが存在する。その名の通り4コアである。 発熱量や値段は相当高いが,その分性能は相当なものである。 (2007年末までに新型が登場する予定で,値段や発熱量はかなり抑えられるらしい) 一方,AMDも2007年末に4コアCPUが登場する予定。(AthlonX4?) Shadeに対する性能だが,ここによれば,Core2DuoはAthlonX2の2倍近い速度が出ているらしい。 SSEなどの浮動小数点ユニットにShadeが最適化されているのが要因かと言われている。 というわけで,マルチコア化によってShadeを使うには喜ばしい時代になった。 予算を適度に抑えるのであればCore2Duoで, 予算に余裕がある場合やとことん速くレンダリングをしたい人はCore2Quadとなりそうだ。 ※究極はCore 2 Extreme(4コア)を2つ搭載して8コアにすることだが完全に趣味の世界かと‥ |
| OS | Shadeに対応しているOSであれば,どれでも性能や操作に違いはない。 ただし,性能を少しでも上げるならば,Windows Vista x64 Editionを選択する手がある。 上記の64bitCPUと64bit版Shadeを組み合わせることで64bit演算が可能となる。 ただし,64bitOSはパソコンのパーツ(ドライバ)が一部対応していなかったり, 古いソフトが動かないなどのデメリットも少なくないので,上級者向けだろう。 |
メモリ![]() |
メモリは現在,DDRという種類のメモリが主流で,速度ごとに規格が分かれている。 CPUごとに対応メモリは異なってくるが,無理に速い規格を選ぶことはないだろう。 |
ハードディスク![]() |
ShadeのインストールとShadeファイルの保存ができれば良いので, パソコンを他のことに使っていないのであれば,数十GBあれば十分足りるだろう。 速度もレンダリングに直接影響してくることはない。 |
グラフィックチップ ![]() |
Shadeの作業画面はOpenGLというグラフィック規格で表示されており, OpenGLの処理速度が遅いグラフィックチップは,作業画面がスムーズに表示されない。 グラフィックチップの種類は多種にわたるので,選ぶのがとても大変だが, 3Dゲームに強いNvidiaやATiのチップであれば,Shadeの速度に不満はないと思われる。 デスクトップパソコンにAGPスロットまたはPCI Expressがあると, 後で違うグラフィックボードに交換が可能である。 (最近の自作のマザーボードはほぼ全てがPCI EXpressとなっている) 省スペース型のデスクトップ,またノートパソコンのほとんどは, グラフィックチップがパソコンのチップと一体になっており, (パソコンのスペック表で「ビデオ・チップ」が「チップセット内臓」等となっているもの) このような構成の場合,OpenGLの性能はかなり低いはずなので,できるだけ避けたい。 |
モニタ![]() |
最近は液晶モニタの発色が大幅に改善されており, CG製作を行う分にも,十分な性能を持つようになった。 未だに「CGをやるなら絶対ブラウン管だ」という人もいるが,もはや個人の判断に委ねられるだろう。 むしろ,CGの作業効率に大きく影響する,高い解像度のモニタを選択しようとすると, ブラウン管の場合,相当巨大なものとなるので,省スペース,省エネを考えれば, 総合的に液晶の方が有利な立場にあると考えられる。 ![]() 解像度UXGA(1600*1200)の画面 解像度が高いと,表示される領域が広いので,必然的に作業効率は上がる。 現在の液晶モニタの多くはSXGA(1280*1024)であり,初めてCGをするなら十分だろう。 UXGAの液晶でも最近は10万を切っているので余裕があれば購入検討にいれよう。 |