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0016 赤色エレジー (2004/2/17)
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| 70年代に入ってから漫画の世界にちょっとしたブームがあった。それは今まで手塚治虫の流派とは違って、実に前衛的でマイナーなイメージをもったモノだった。これを雑誌の名前からガロ系と呼ぶコトにする。ガロと言っても♪君とよっく〜この店に〜来った〜ものさ〜〜〜…のガロとは関係ない。有名なトコロでは『ゲゲゲの鬼太郎』の水木しげるや『カムイ伝』の白土三平などが描いていたマンガ雑誌のコトである。マンガ家を目指していた私にとっては、そのブームは気になるモノだったので、いくつか単行本を買って読んでみたりした。そして、その中に『赤色エレジー』があったのである。
この時点で、あがた森魚の『赤色エレジー』はまだ聴いておらず、アルバムを買うのはもっと後になるのだが、実際72年にはすでに唄のほうの『赤色エレジー』は発売されてて、私の知らないトコロでヒットしていたみたいだ。つまり、普通ならラジオで聴いたり、有線で流れて来るのを聴いたりして聴いているモノなのだが、アルバムを買うまで聴いたコトが無かったとは、私とは縁の無い唄だったようである。ただ、唄の本などで歌詞だけは読んでいたので知らなかったのは曲の方だけだったのだが…。 なので私にとっての『赤色エレジ−』はあがた森魚ではなく、マンガを描いていた林静一のほうだった。林静一の描く世界にのめり込んでいたので、それは当然のコトだったろう。『赤色エレジ−』=『林静一』だったのだ。だからあがた森魚のアルバムを買ったのも、林静一が描くジャケットの絵が目当てで買うと言う…、あがた森魚さんに対しては実に失礼な購入目的だったのである。(因に、佐伯俊男の絵がほしくて三上寛のアルバムも多数購入したコトがある) さて、こうしてあがた森魚の『乙女の儚夢』を買い聴く訳だが、このアルバムがまた異様な雰囲気で構成された異色の1品だったコトを知るのである。異色と言おうか異形と言おうか?今風の言い方をすれば、ちょっときしょいイメージなのだ。サーカスや見せ物小屋イメージだったり、病院やサナトリウムの世界だったり…と、そういう感じなのだ。また、唄と唄の間にもサーカスの呼び込みの声や、大道芸人の声などが入っていて、雰囲気をより一層盛り上げているのである。ああ、上手く言い表せらなくてイライラするぞ…。 『赤色エレジー』はワルツだった。あのサーカスのチ〜タッタ〜チ〜タッタ〜のリズムで作られていて、それが上手く歌詞にマッチしていた。 また、あがた森魚の歌声も妙なビブラートがついてて惨め〜な感じを引き立たせてくれてたのも印象的だった。まるで、ひ弱な子が苛めっ子にボコボコにされて、帰り道に泣きじゃくりながら自分の不幸を呪って歌っているかのような歌声で、思わず避けて通りたくなるほどのインパクトのある世界に仕上がっていたのである。 『乙女の儚夢』…大正ロマンのイメージに浸りたい人には是非お薦めしたいアルバムである。 |