ふたつの石碑◆              作詞・作曲/川上シュンロー

むかし九州のある島で 奇妙な娘が産み落とされた
娘の母親は病弱で お産の途中であの世へ行った
生まれた娘は一言も 産声上げずに取り上げられた
その上娘は手も足も 不自由な片輪者だった

唖で片輪のその娘は 祖母によって育てられた
娘の父親は勝手者で 家庭を捨てて都会へ行った
悪臭放つボロ小屋で 娘と祖母は暮してた
その上娘は何一つ 楽しい事をも知らなかった

村の中を娘の乗った 手押し車を祖母が押す
娘もその頃はもう十五 ワゴンの下から赤い血落ちる
村人達は気味悪く 娘と祖母を恐怖した
その上娘はその後すぐ 祖母に死なれて独りきり

村人達は仕方なく 粗末な食べ物娘に運ぶ
祖母は死んでしまっても 片輪の孫が心残りだった
娘独りのボロ小屋に 夜な夜な祖母の人魂飛んだ
その上娘は声を出し 「ばあちゃん来た」とくり返す

結局娘は死んでしまった 祖母の霊に連れられて
村人達のお祓いは 役には立たず娘は死んだ
これはもう七十年以上も前に起こった本当の話
片輪の娘はわずかな 幸せさえ知らずに死んだのだ
今も九州のある島に ふたりの墓標が並んでるという…

父親から聞いた体験談を友人が私に話してくれて、それを唄にしたものです。
不幸だ不幸だってよく口にする人が居るけど、口に出来る分まだ幸せじゃないか…って私は思う。
自分の気持ちの持ち方一つで変えられる状況の不幸は不幸とは呼べないんじゃないだろうか?

尚、詩の中に差別的文章が含まれますが、当時の言葉で書かなければ意味合いが変わってしまう為、あえて友人の父親が話した言葉のまま変えずにアップすることにいたします。