週記『ラスト・エンペラー』

さて、今回は中国清朝最後の皇帝、愛新覚羅溥儀(あいしんかくらふぎ)の激動の一生を描いた作品『ラスト・エンペラー』です。清朝最後の皇帝であり、その後満州国皇帝として迎えられたが、結局日本軍に利用された訳だから、これは悲劇の物語と言えよう。なんか漢字ばっかでややこしいな…。ストーリーを簡単に言うとこんな感じ。

中国に西太后ってのが居ったでしょ?第3皇后だったんだけど、出世しちゃって中国で絶対的な権力を持ってた人ネ。その人が自分の息子を虐め殺しちゃったんで、世継ぎが居なくなっちゃったのネ。んで、昔の恋人の血筋にあたる三才児を連れて来て皇帝の座に即位させちゃうんだわ。その三才児が今回の主人公『溥儀(ふぎ)』なのネ。そして、彼が清朝最後の皇帝となっちゃうんですわ。

彼は幼少の頃から塀に閉ざされた大きなお城のような紫禁城ってトコで暮らすんですな。周りは宦官だらけ、親とも離ればなれ、たった一人の特別な存在だった乳母も追い出されてしまい独りぼっちで少年期を過ごす訳です。そこにスコットランド人の家庭教師がやって来て、西洋の文化を勉強いたします。そして宦官達の汚職を一掃するべく、紫禁城から宦官を一斉解雇なんかしちゃったりするんですわ。やがて奥方を二人娶り、平和な時間が過ぎて行くかに見えたのですが、クーデターが起こり溥儀は紫禁城を追われるコトとなるのです。

その後、満州国の皇帝という形で即位するのですが、結局は日本軍の片棒をかつがされたってコトで戦犯者として囚われちゃうんですな。新しい中国の人民となる為に教育を受け、収容所を出た頃にはすっかりお爺さんになってしまっていました。…って、こんな風に書いても全然面白そうな映画に見えませんネ(笑)。でも、実際は凄過ぎてココでは書き切れません。

実話を元にこれだけ盛大なスケールで描かれてるのに、こんなに虚無的な気持ちにさせられる映画を私は他に知りません。まさに時代に翻弄された一人の男の人生を綴った作品であります。権力とは何か?政治とは何か?戦争とは何か?愛国心とは何か?人生とは何か?いろんな『何か?』が詰まった作品です。

監督は『リトル・ブッダ』『魅せられて』のベルナルド・ベルトルッチ。溥儀役に『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』のジョン・ローン。スコットランド人の家庭教師役に『アラビアのロレンス』のピーター・オトゥール。音楽に坂本龍一。アカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞においてドラマ部門作品賞を受賞した、1987年感動のイタリア・中華人民共和国・イギリス合作作品です。