| 週記『ブラック・レイン』
1989年に制作された邦画に『黒い雨』ってのがありました。井伏鱒二原作、今村昌平監督の原爆をテーマにした問題作だったのですが、この映画とは全然違うストーリーで同じ意味のタイトルの『ブラック・レイン』を今回はご紹介いたします。 まず私はこの『ブラック・レイン』を初めて見た時に驚きました。それまでの日本を描いている洋画とは違い、かなり日本を理解して制作されてたからです。なんせそれまでの洋画では無茶苦茶でしたからネ。日本をちゃんと調べてから作れヨ!と何度ムカついたコトか…。その辺、この『ブラック・レイン』は逆に教えられる面が多く感心いたしました。 ストーリーはアメリカで事件を起こしたヤクザ(佐藤)を捕まえて日本へと送還するトコロから始まります。護送したのはアメリカの刑事ニックとチャーリーの二人。しかし、大阪空港でまんまと偽刑事にハメられ佐藤に逃げられてしまう。府警の松本の監視の下、何の権限もなくなってしまう二人。そこへ佐藤の部下達が二人を襲い、チャーリーは殺されてしまう。ニックは独自で佐藤を追うのだが…。 この映画では、戦争に勝ったアメリカが日本に持ち込んだ素晴らしい文化と共に、日本人の持っていた大切な心も失わせてしまったコトを描いている。規律を守らなくなった若者達。筋を通さなくなった若者達。古いモノを恐がらなくなった若者達。それらの日本人を生み出してしまった原因をアメリカにある…と描いている。 私はこの映画を反戦・反核映画として捉えた。日本は事実を掘り下げるコトをせず、教科書まで都合の良いよう書き換えてしまう国だ。『臭いモノには蓋をせよ』そんな恥ずかしいコトをしているお偉方。この映画を見て是非とも改めて欲しいと思う。 監督は『エイリアン』『ブレイド・ランナー』『テルマ&ルイーズ』のリドリー・スコット。主役のニック役に『危険な情事』『ウォール街』のマイケル・ダグラス。相棒の刑事チャーリー役に『ゴッドファーザーPARTIII』『靴をなくした天使』のアンディ・ガルシア。府警の刑事松本役に高倉健。そして忘れてはならないのが、今回の悪役佐藤役に、この映画を最後にこの世を去った松田優作である。1989年の日本を描いたアメリカ映画です。 |